共愛学園小学校7年間の集客戦略【後編】|成果が頭打ちになった時、何を見直すか
前編では、共愛学園小学校の生徒募集支援において、弊社が7年間で3度にわたり戦略を作り直してきた経緯を時系列でお伝えしました。CVは累計719件。CV1件あたりにかかった広告費は、初期から直近でおよそ3分の1まで改善しています。
しかし、本当に重要なのは「結果としての数字」ではなく、「なぜそう判断できたのか」という思考のフレームです。
後編では、この7年間の経験から導き出された「成果が頭打ちになった時、私たちは何を見直すか」を、5つの判断軸として整理してお伝えします。教育機関の事例ですが、運輸・施設建設・小売・飲食――業種を問わず応用できる視点です。
判断軸①:市場環境のフェーズを正しく見極める
最初に問うべきは、「今いる市場が、認知拡大フェーズか、差別化フェーズか」です。
共愛学園小学校の第1期(2018年)は、群馬県内に競合となる選択肢がほぼ存在しない時期でした。「私立小学校という選択肢があること自体を知らせる」だけで、潜在ニーズが顕在化し、広告が機能した。これは認知拡大フェーズの典型です。
一方、第3期(2025年)の市場環境は大きく異なります。県内には別の私立小学校やインターナショナルスクール、オルタナティブ教育を掲げる学校が複数登場。保護者は複数の選択肢を比較検討した上で「どの学校が自分の子に合うか」を判断する。これは差別化フェーズです。
両者では打つ手がまったく違います。認知拡大フェーズで「他校との違い」を訴求しても刺さらない(そもそも比較対象を知らない)。差別化フェーズで「私たちは新しい選択肢です」と言っても弱い(すでに選択肢は知られている)。
自社が今どちらのフェーズにいるかを誤ると、広告費はそのまま無駄になります。 最初に問うべき、最も基本的な判断軸です。
判断軸②:媒体は「ターゲットがいる場所」で選ぶ
第3期で弊社が下した最大の判断は、Yahoo広告からInstagram広告への切替でした。
判断の根拠はシンプルです。共愛学園小学校のターゲットである親世代(20代~40代)は、検索エンジンよりもInstagramでの情報接触時間が長い。であれば、広告予算はInstagramに寄せた方が、同じ金額でより多くのターゲットに届きます。
ここで重要なのは、「Yahoo広告の成果が悪かった=Yahoo広告が悪い」ではないということです。Yahoo広告自体は今も多くの業種で機能する媒体です。問題は「共愛学園小学校のターゲットがYahoo広告にあまりいなかった」という、それだけのことでした。
媒体選定の本質は、「自分たちのターゲットが、最も時間を使っている場所はどこか」を見極めることに尽きます。媒体は手段、ターゲットとの接点設計が目的です。媒体名から入るのではなく、ターゲットの行動から逆算する。この順序を間違えないことが、無駄な広告費を生まないコツです。
判断軸③:訴求は「独自の強み」を3~4本柱で打ち出す
差別化フェーズでは、「私立小学校です」「英語教育やります」だけでは他校に埋もれます。
共愛学園小学校が次に打ち出そうとしている差別化軸は、「英語教育」「聖書の教え」「国語教育」「国際交流の強化」の組み合わせです。一つひとつは他校でも掲げているかもしれませんが、この4つを同時に提供する学校は群馬県内ではほぼ存在しない。これが独自の強みになります。
差別化訴求の鉄則は、「自社にしかない要素を1つだけ」ではなく、「よくある要素の組み合わせで、自社にしかない独自性を作る」ことです。1つだけでは模倣されますが、組み合わせの妙は簡単には真似できません。
この発想は他業種でも応用できます。運送会社なら「短納期×特殊輸送×女性ドライバー在籍」、施設建設会社なら「地域密着×短工期×アフター対応の手厚さ」――こうした3~4本柱の組み合わせで、自社にしかないポジションを作る。これが差別化フェーズの基本戦略です。
判断軸④:検証は「広告クリエイティブ」で高速に回す
広告の成果は、「バナー → LP → 公式サイト」という一連の導線を通じて生まれます。共愛学園小学校の支援でも、この導線の基本構造は当初から一貫させてきました。そのうえで重要になるのが、「どこを動かして検証を回すか」という判断です。
成果が出ない時、多くの会社が最初に検討するのが「LPの作り直し」です。しかし、LP改修は時間もコストもかかります。デザイン制作・コーディング・公開承認まで含めれば、1サイクルに数週間。改善の回転数が稼げません。
一方、広告バナーのABテストなら、週次・日次で改善を回せます。 クリエイティブを2~3パターン用意して並走させ、効果の高い方に予算を寄せ、低い方は差し替える。このサイクルが速いほど、最終的な成果は大きくなります。
共愛学園小学校の第3期では、複数バナーを並走させながら「どの訴求が刺さるか」を継続的に検証しました。次期キャンペーンでは、「英語教育を前面に出すパターン」と「学校の教育方針を前面に出すパターン」のABテストを設計しています。
ポイントは、「どこで検証を回すか」の判断です。LPを変えるのは大手術。バナーを変えるのは日常運用。日常運用で改善できる範囲を最大化することが、成果スピードを決めます。
判断軸⑤:CV計測の精度を上げ続ける
最後の判断軸は、地味ですが最も本質的な話です。
共愛学園小学校の支援では、CVポイントとして「申込予約」「資料請求」「お問い合わせ」を計測してきました。しかし、現状は問い合わせフォームの一部にGoogleフォームを使っており、CVから入学までの追跡は完全ではありません。
「CV1件あたり広告費」がいくらかわかっても、「そのCVのうち何件が実際に入学につながったか」がわからなければ、本当の意味でのROIは見えません。次のフェーズでは、学校側と連携してより精密な計測体制を構築していく予定です。
測れないものは改善できない。 これはどの業種でも変わらない原則です。CV件数だけでなく、CVの質、CVから契約・成約への歩留まり、リピート率――どこまで測れるかが、改善の天井を決めます。
教育機関で得た知見は、他業種でも活きる
ここまで5つの判断軸をお伝えしました。共愛学園小学校の事例ですが、本質は教育機関に限った話ではありません。
- 地域密着BtoCの飲食店、塾、習い事教室、クリニック
- 中小規模の運送会社、施設建設会社、製造業
業種は違っても、「長期で関係性を作りながら、フェーズに応じて戦略を変える」という考え方は共通します。市場が変わったのに同じ広告を続けていれば、いつか必ず成果は頭打ちになります。
成果が出なくなった時こそ、5つの判断軸に立ち返ってみてください。市場のフェーズはどこか。媒体は正しいか。訴求の独自性はあるか。検証は速く回せているか。そもそも測れているか――この問いを順に検証していけば、次に打つべき手は必ず見えてきます。
群馬・北関東の集客課題に、伴走します

株式会社シースリー・ブレーンは、群馬県前橋市を拠点に、東京・大阪にも拠点を持つWeb制作・広告運用・ブランディングの会社です。
LP制作から広告運用、クリエイティブ制作、効果検証、計測体制の構築まで――集客に必要な機能を一気通貫でご提供しています。本記事でご紹介した共愛学園小学校様の事例のように、フェーズごとに戦略を組み立て直しながら、長期で成果を伸ばす伴走型の支援を得意としています。
「広告を出しても以前ほど成果が出なくなった」「次に何をすべきかわからない」――そんな課題をお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
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