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群馬の飲食店がSNSで変わった6年間【第1回】基盤づくりの2年間|Instagram運用の始め方

群馬県でSNS運用・Instagram運用を検討している飲食店や中小企業の方に向けて、実際の支援事例をもとに「何から始めるべきか」「何が成果につながるのか」を具体的にお伝えします。

今回から全4回にわたり、群馬県邑楽郡板倉町の和食・釜めし専門店「和膳処あぶらや」のSNS活用事例を紹介します。株式会社シースリー・ブレーンが2020年から支援を開始し、現在ではInstagramフォロワーが1万人を超え、OEM受注・ケータリング事業・大手航空会社とのコラボ企画など、集客の枠を大きく超えた事業展開を実現しています。

第1回では、支援開始から2年間(2020~2021年)の「基盤づくり」のフェーズを詳しくお伝えします。SNS運用を始める前に何を整えるべきか——その答えがここにあります。


SNS運用を始める前のあぶらや

和膳処あぶらやは2006年創業の日本料理・釜めし専門店です。群馬県邑楽郡板倉町という地方立地ながら、地元食材にこだわった釜めし20種類をはじめ、「上州板倉新名物 雷電いなり」や和風ピザなど独自メニューを展開し、地域の冠婚葬祭・宴会・接待需要を長年支えてきた実力店です。店内は80席、個室対応も可能で、館林ICから約5分という好立地を活かし、幅広い客層に愛されてきました。

しかし2020年、新型コロナウイルスの感染拡大が状況を一変させます。宴会・法事・宴席といった従来の集客軸が軒並み消え、飲食業全体が先の見えない状況に追い込まれました。「何かしなければならない、でも何をすればいいのか」——この問いを抱えていたのはあぶらやだけではなく、群馬・北関東の中小飲食店の多くが同じ壁にぶつかっていた時期です。

この状況を受け、株式会社シースリー・ブレーンはあぶらやへの支援を開始します。最初の方針は明快でした。「まず止まらないための土台をつくる」——派手な施策より先に、動き続けるための基盤を整えることから始めました。


Phase 0:まず「止まらない」ための初動(2020年)

Instagramの見直しと販促企画の立案

2020年の支援開始時点で、あぶらやはすでにInstagramアカウントを持っていました。しかし投稿の頻度・内容・世界観はまだ整理されておらず、SNSが集客に機能している状態とは言えませんでした。シースリー・ブレーンが最初に着手したのは、このInstagramの見直しです。

「何を投稿するか」より先に「誰に届けたいか」「どんな印象を持ってもらいたいか」を整理しました。あぶらやが持つ強み——地元食材へのこだわり・釜めしの専門性・地域に根ざした温かみ——をどうSNSで表現するかを、店舗側と一緒に言語化するところから始めたのです。

また、コロナ禍の状況を踏まえた販促企画の立案も同時に実施しました。店内飲食が制限される中で「できることは何か」を整理し、テイクアウト・冷凍商品・ギフト需要などへの対応策を企画として組み立てていきます。「何もしない」を避けるための初動フェーズ——これがPhase 0の本質です。

SNS運用は「投稿する」前の準備が9割

群馬の中小飲食店でよく見られるパターンは、「とりあえずInstagramを始めてみたが、フォロワーが増えない・反応がない」という状態です。その多くは、投稿を始める前の準備が不十分なまま見切り発車していることが原因です。

誰に届けるか・何を強みとして打ち出すか・どんなトーンで発信するか。これらを言語化してから投稿をスタートすることで、コンテンツに一貫性が生まれ、フォロワーが「このアカウントは信頼できる」と感じるようになります。あぶらやのケースでも、この準備段階への投資が後のフォロワー1万人達成につながる土台になっています。


Phase 1:「売れる形」を整える(2021年)

Instagramコンサルティングの本格開始

2021年、シースリー・ブレーンのInstagramコンサルティングが本格始動します。このフェーズで重点的に取り組んだのは、あぶらやが持つ多彩な商品の「打ち出し方・見せ方の見直し」です。

釜めし・雷電いなり・和風ピザ・テイクアウトメニュー・冷凍商品と、あぶらやには魅力的な商品が揃っていました。しかし「全部を均等に発信する」のではなく「どの商品を・誰に向けて・どの順番で打ち出すか」を戦略的に整理することが重要です。SNSのフィードは、見た人が「この店に行きたい」「この商品が欲しい」と感じるよう設計する必要があります。

発信の優先順位を整理したことで、投稿の方向性が定まり、アカウントとしての世界観が統一されていきます。

GoogleビジネスプロフィールとWebの整備

SNS運用と並行して、この時期にGoogleビジネスプロフィール(GBP)の最適化も実施しました。Googleマップや検索でお店が正しく・魅力的に表示されるよう、営業時間・写真・カテゴリ・店舗説明を丁寧に整備しています。

なぜSNS運用と同時にGBPを整えるのか。それは「SNSで興味を持った人が次に取る行動」を考えるとわかります。Instagramであぶらやを知った人が「もっと詳しく知りたい」と思ったとき、多くの場合Googleで店名を検索します。そこで情報が不十分・古い・写真がない、という状態では、せっかくの関心が来店につながりません。

SNSとWebを連動させることで「見つけてもらう→興味を持つ→来店・購入する」という流れを設計する。これが、シースリー・ブレーンがSNS運用支援の中でWeb制作・情報基盤整備をセットで提供する理由です。群馬の中小企業向けにWebサイト制作やGBP整備を含めたトータル支援を行っているのは、この考え方に基づいています。

YouTube動画制作(板倉町の伴走支援予算を活用)

2021年、板倉町の伴走支援で実施されたコンテンツ制作にも、弊社は制作担当として関わりました。YouTube向けに「釜めし」をテーマとした動画コンテンツを制作し、あぶらやの看板メニューである釜めしの魅力を映像で伝える取り組みです。

Instagram一本に絞らず、YouTubeという別のプラットフォームでもコンテンツを展開することで、検索流入・動画検索からの新規接点を広げる狙いがありました。また、動画コンテンツはInstagramのリール素材としても活用できるため、制作コストの効率化にもつながります。

商品を「外に売れる形」に整える

2021年の大きな取り組みの一つが、商品情報の体系的な整理です。規格書・商品企画書の作成を行い、あぶらやの冷凍商品(分福茶釜めし・雷電いなり・和風ピザ)を「外部に販売できる状態」に整えました。

この準備が実を結び、展示会への出展、百貨店・ネットショップへの商品導入へとつながっていきます。高島屋への商品掲載もこの流れの延長線上にある成果です。SNSでの発信と並行して「商品が売れる仕組み」を整えたことが、翌年以降のOEM受注・BtoB展開の土台になりました。


第1回まとめ:SNS運用は「発信」より「設計」が先

2020~2021年の2年間をまとめると、あぶらやのSNS支援は「投稿数を増やす」ことよりも「投稿が成果につながる状態をつくる」ことに時間とエネルギーを使いました。

  • Instagramの世界観・発信方針を言語化する
  • GBP・Webとの連携で「見つけた後の導線」を整える
  • 商品の打ち出し方を戦略的に整理する
  • YouTube動画制作・外販基盤を整備する

この2年間に積み上げた設計と基盤が、翌年以降のリール100万回再生・OEM受注・フォロワー1万人達成を可能にします。

SNS運用の成果が出ない会社の多くは「投稿量が足りない」のではなく「投稿が成果につながる設計ができていない」ことが原因です。どれだけ頻繁に投稿しても、届けたい相手・伝えたいメッセージ・問い合わせへの導線が整っていなければ、フォロワーは増えても売上は動きません。あぶらやの事例が示すのは「まず設計、それから発信」という順序の大切さです。

群馬・北関東でSNS運用を検討している飲食店・中小企業の方にとって、このフェーズの取り組みは規模を問わず再現できるものです。Instagram運用のスタートラインをどこに置くか——あぶらやの2020~2021年がその答えを示しています。

次回(第2回)は、2022~2023年の「拡散・営業化フェーズ」をお伝えします。リール動画が100万回再生を記録し、手話接客が新聞1面になり、フォロワー5,000人でOEM受注が動き出す——基盤が整ったあぶらやのSNSが、一気に加速する2年間です。

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